ネット系の上場企業から見えるビジネスモデルの共通項

ネット系の上場企業は、どこまでをネット系と言うかによって線引きは難しいのですが、あるサイト(注1)を見ると、

会社名
(株)サイバーエージェント
(株)フリークアウト
(株)カカクコム
クックパッド(株)
楽天(株)
ヤフー(株)
(株)VOYAGE GROUP
ネットイヤーグループ(株)
(株)駅探
(株)ネクスト
GMOペイメントゲートウェイ(株)
(株)リブセンス
(株)一休
(株)オウケイウェイヴ
エキサイト(株)
(株)デジタルガレージ
(株)ぐるなび
(株)メンバーズ
(株)アイスタイル
(株)レアジョブ
(株)エニグモ
(株)みんなのウェディング
ジョルダン(株)
(株)Eストアー
トレンダーズ(株)
(株)インフォマート
(株)オークファン
比較.com(株)
(株)オウチーノ

のようです。これらの会社を見てもらうとある事に気が付くと思います。

それは、メディアを持っている会社がまず圧倒的に多い事です。

現在、売上の主力がスマホアプリとなっているサイバーエージェントもメディア(アメーバ等)を持っておりますが、それらメディアを持っている会社を除くと、

(株)フリークアウト
ネットイヤーグループ(株)
GMOペイメントゲートウェイ(株)
(株)メンバーズ
(株)レアジョブ
(株)Eストアー
(株)インフォマート

まで一気に減ります。インフォマートもメディアを持っていると言えば持っていることになりますが、ここではB向けサービスということで残しました。

この残った会社から決済代行会社、広告系の会社も外すと、

ネットイヤーグループ(株)
(株)メンバーズ
(株)レアジョブ
(株)インフォマート

となります。

では、この残った会社を見てみましょう。

まず、レアジョブはオンラインの英会話教室を運営している会社です。あとインフォマートは前述の通りBtoB向けのプラットホーム(請求書発行、受発注系)の会社です。

それ以外のネットイヤーグループとメンバーズはWebサイト制作などを手がけている会社となります。

共通項に気づきましたでしょうか?

まずネット系の上場企業は沢山ありますが、そのほとんどが自社メディアをもち、そのメディアで高い利益率を出しているため、上場出来ています。

ちなみに駅探は2016年3月の経常は5億、売上はたったの29億なので、どれだけ利益率が高いかが分かります。

メディアを持っていない会社も、ネットイヤーグループとメンバーズを除き、独自のサービス(決済・広告)を持っていて、高い利益率を出している会社ばかりです。

ちなみに、ネットイヤーやメンバーズはサイト制作系の会社なので、数千社という競合を持っていますが、ネットイヤーやメンバーズ以外の会社にはここまでの競合を持っている会社はありません。

だからこそ高い利益率を誇ることが出来るのです。

その昔、サイト制作系の会社ではアイフラッグが上場していました。

細かい話は割愛しますが、売上計上基準の変更により債務超過となり、それを支援していた光通信が2015年6月完全子会社にし、上場廃止となりました。

サイト制作系の会社は受注し、納品後に入金となるため、キャッシュフローが非常に悪い業態であり、また受注すればするほど多くの人工(にんく)がかかるため儲かりにくいビジネスなのです。

事実、メンバーズは売上65億、経常4.5億とメンバーズは多少良い数値だと思いますが、ネットイヤーグループの売上は売上68億、経常1.5億しかなく、決して儲かっているとは言えないレベルです。

このように、一見、サイト制作系のネットビジネスは参入しやすい反面、上場している会社が非常に少ないことから、非常に経営が難しい業態ある事が分かります。

更には人工(にんく)ビジネスのため、労働環境が悪い(夜遅くまで働く)傾向があり、結果、上場基準に抵触し、上場出来ない会社が多いのです。

この様に、もし何らかのビジネスを始める場合、もしくは新規事業として参入する場合、同じネット業界でも様々な会社があり、上場企業はどうなっているのか?を分析する事は他の業界でも非常に勉強になるのです。

注1:http://www.publickey1.jp/blog/15/it_2015.html

ビジネス規模を一気に拡大させるシステム化とは?

恐れることなく、ビジネス規模を一気に拡大させるためには、システム化する必要があります。

ここで言うシステム化とはITを使って云々といった話ではありません。

現在東証一部上場のインターネット広告代理店のオプト、2016年現在、1,366名の企業ですが、2002年からの従業員数推移を見ると、

2002年 36名
2003年 57名
2004年 119名
2005年 302名
2006年 401名

といった推移(注1)になっています。ここで注目すべきは2004年から2005年にかけてです。

119名だった会社が翌年は2.5倍の302名にもなっているわけです。

当時このオプトにいたF氏は「オプトは完全にシステム化が出来た。1人入社すると○○円の売上があがり、△△円の利益が出ることが分かった。よって大幅に社員数を増やし、市場をとっていく決断をした。」と言っていました。

さて、もし私が「1,000万円を今月稼いでください。」と言ったら、ほとんどの人がどうやったら稼げるのか分からず途方に暮れることと思います。

しかし、私が、「1日100件、私の指示通りの内容で電話して下さい。100件のうち2%の2件は毎日アポが取れます。25日で50件のアポが取れ、20%にあたる10件は受注が出来るはずです。1件100万円の商材なので、これで1ヶ月に1,000万円売り上げられます。それを目標に頑張ってください。」と言ったらどうでしょう?

やれそうな気がするはずです。つまり、これがシステム化なのです。

オプトは当時、こうやって電話したらある一定の割合でアポが取れ、そしてある一定の割合で受注出来ることが分かったため、一気に人数を増やしても問題がなかったわけです。

事実、2004年の119名の時の経常利益は4.9億、2005年の302名の時の経常利益は8.5億、売上は95億から166億まで伸びたのです。

つまり、このシステム化さえ出来てしまえば、一気に拡大が出来るわけです。

これを作り上げることが営業部長の仕事であり、営業担当役員の仕事であり、小さな会社であれば、社長の仕事です。

昔、私が外資系のサラリーマンだった頃、営業担当役員が変更になったのですが、新しく担当となった営業担当役員は、「つべこべ細かいことは一切言わない。何をやっても構わない。数字だけあげろ。」と言われ、途方に暮れたのを覚えています。

そしてその営業担当役員はすぐに降格されました。(笑)

仕事が出来ない営業役員、営業部長はこのシステム化が分かっていない、とにかく根性論を出す傾向があります。

それでは売上も安定しないため、上司失格なのです。

さて、このシステム化は色んなパターンがあります。

前述の通り、電話営業でもシステム化しますし、ホームページも同様です。

ホームページへ来させたうちの、何%が問い合わせてきて、そのうち何%が受注に至る、これも1つのシステム化になります。

同じく多店舗展開もそうです。

出したらかなりの確率で当たるお店を作る事が出来れば、後は好立地な場所に出していけばいいだけです。

もし起業前であれば、必ずこのシステム化を頭に入れて独立することが経営を安定化させる重要なポイントだと思うのです。

注1:http://www.opt.ne.jp/files/topics/750.pdf

牛角が最速で1,000店舗を出せた3つの理由

今回は長文です。

牛角が1,000店舗を最速7年で出せた理由は3つあります。

前回のブログでも書きましたが、

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牛角の多店舗展開のカラクリ(最速で1,000店舗)についてはまた別の機会に触れますが、牛角は「あの牛角の上カルビが490円!」といった形で昔(2009年6月)やっていました。(今はやっていません。)
で、出てきた490円の牛角の上カルビを見ると明らかに上カルビっぽくなく、安い肉に見えるわけです。いや、実際に安い肉なんです。(笑)
つまり中トロや大トロもそうですが、上カルビ、特上カルビはお店自体でその基準を決めて良いので、安い肉を上カルビとして、それも非常に少ない量で提供していたのが牛角の戦略です。
—————

のように、安い肉を更に量も少なくしたため価格競争力が高くなり、安価でも利益が残ったのが1つ目の理由です。

2つ目の理由はよく牛角の成功話にでてくる300円で悪口を書くことです。

牛角の三軒茶屋第1号店オープン当時はなかなか経営がうまくいかなかったため、お客さまにアンケートを配り、お店についての悪口を書いてくれた方には300円の割引券をお礼にお返ししていた話は有名です。

焼肉を炭火で食べたいとか、それも安価にカルビを食べたいとか、当時ではあり得ない要望にこつこつ対応していき、結果、牛角は大繁盛店となり、牛角ブームが発生、多店舗展開が可能となったわけです。

私も「牛角という焼肉屋は中落ちカルビを炭火で、それも1人3,000円位で食べられるんだ!」といった話を牛角が多店舗展開を始めた頃に聞き、一度行ってみたい!と思ったのを覚えています。

ただこのお客様のニーズに応える、そして利益が出る仕組みにしただけでは、1,000店舗の展開は出来ません。

なぜならばお客様のニーズに応え、利益が出ているお店は世に沢山あります。

そして7年で1,000店舗にまで出来た経営者はいまだにいません。2012年のデータですが、1,000店舗以上あるのは11社(宅配・お持ち帰り弁当系を除く)です。

1位 ゼンショー(すき家) 4,667店
2位 日本マクドナルド 3,280店
3位 すかいらーく 2,636店
4位 モンテローザ(白木屋・魚民) 1,954店
5位 日本ケンタッキー・フライドチキン 1,550店
6位 モスフードサービス 1,431店
7位 ドトールコーヒー 1,384店
8位 ダスキン(ミスタードーナッツ) 1,381店
9位 レインズインターナショナル(牛角) 1,217店
10位 吉野家ディー・アンド・シー 1,193店
11位 松屋フーズ 1,043店

この中で7年で1,000店舗は牛角のみ。そして気が付いた方もいるかもしれませんが、この中で唯一売られた、つまり株式会社コロワイド社に売却されたのも牛角のみ。

つまりそういった所からも牛角を除く上記10社とは明らかに違う方法で牛角は出店していたことが分かります。

その方法とはずばり、「減価償却を上手く使って銀行からの借り入れをし、レバレッジをMAXにした」のです。

例えば、200万円で焼肉屋を出店するケースを考えます。

200万円の出店費用の内訳は消耗品100万、エアコン等の設備150万、値引き50万とします。最初牛角は大ブームなので、1年後に100万円の利益(粗利益)が出るとします。

さてまず出店費用200万円をなんとか工面しなければなりませんが、

1.自己資金で払って、減価償却
2.すべてをリース
3.銀行借入で支払い、減価償却

という3パターンがあります。減価償却を知らないとこれ以降の話がちんぷんかんぷんなので、まずはそれを簡単に説明します。

例えば、240万円の利益(税引き前利益)が出そうだと分かったとき、240万円の40%(今は法人税減税で少し下がっていますが、事業税含めると40%と仮定)にあたる96万円の税金を取られるので、税金を減らすため、240万円のクルマ(新車)買ったとします。

240万円のクルマをその会計期間の最後の日に買った場合は、実際に240万円を支払う事になりますが、それで利益がゼロとなり、税金96万円を払わなくても済むとなると日本国家が破綻します。

よって日本国家は240万円の新車は6年間使えるから、1年間で40万円だけ利益を消してもいいよという法律を作っています。これが減価償却です。

つまり240万円の利益が出そうで、240万円を新車の購入に使っても、40万円しか経費として認められないので、240万-40万=200万円に対して税金40%、80万円がかかります。

でも240万円使っているため、80万円払えません。

更に厳密に言うと、この新車を会計期間の最後の日に買ったとすると、日割になるため、40万円の365分の1日しか経費計上出来ません。

つまり240万円の利益が出そうだ!と会計期間の最終日に分かり、240万の新車を買っても、40万÷365日=1,095円となり、240万-1,095円=239万8905円に対して税金がかかります。

分かりやすくいうと、利益が出たからその分、モノを買っても税金は免れないのです。

この1年に40万、さらにはもしたった1日だったら、1,095円を利益から消せる、それが減価償却です。

さて減価償却が分かったところで、本題に戻りますが、

1.自己資金で払って、減価償却
2.すべてをリース
3.銀行借入で支払い、減価償却

という3パターンがあり、どれを採用するかによって出店スピードが大きく異なるのです。

結論からすると、牛角は「3」を採用しています。

まずは「1」の自己資金で払って減価償却するケースを説明致します。

出店に必要な200万円(200万円の内訳は消耗品100万、エアコン等の設備150万、値引き50万)を自己資金で払うのですが、値引きの50万円は設備の150万円の方をメインに引いてもらいます。すると、消耗品100万円、設備150万→100万円となります。

消耗品は一括で費用計上(300万円までの特例利用)できます。

またエアコン等の設備の100万円の方は“やり方”によっては短い期間(6年)で原価償却するので、100万円÷6年=約16万円費用計上出来、初年度は100万+16万=116万円費用計上できる事になります。

この“やり方”によってはの意味ですが、天井に埋め込まれているタイプのエアコンは家のエアコンとは異なり、持ち運びが出来ない事から、建物付属設備という取り扱いにかわり、結果、耐用年数の長い13年で減価償却します。

しかし天井には埋め込まれていないタイプの、いわゆるむき出しのエアコンは家庭用と変わらないため、6年で減価償却出来るのです。(注1)

よって初年度は100万円の利益(粗利益)ですが、費用が116万円かかるので、1年後の損益計算書は16万円の赤字(営業損益)となります。このタイプは銀行は赤字となるため、お金を貸したくなくなりますが、自己資金でやっている(=銀行からは借りない)ので、銀行に嫌われても構わないのです。

翌年も同じく100万円の利益(粗利益)が出る場合、費用計上は2年目の減価償却が16万円しかないため、84万円の黒字(営業利益)になります。実際には16万円の繰越損失があるので、68万円(84万-16万)(税引き前利益)に対して税金がかかります。

つまりこのタイプは翌年には一気に利益(営業利益)が出るし、税金も少ないので、非常に健全なタイプなのです。逆に翌年、100万円の利益(粗利益)が出ず、飽きられてしまい、たとえ利益(粗利益)が30万円になっても14万円の黒字になります。

次にリースにしているケースです。

設備投資の200万円を全額リースにするのですが、このリースは通常5年払いです。1年間に払うお金は、200万÷5年=40万円です。実際にはリース料という利息みたいなものが付くので、支払額はもっと高いのが通常です。

今回そのリースの利息にあたる部分は無視します。

このリースのメリットは、リース料すべてが費用計上出来ます。初年度は100万円の利益(粗利益)なので、40万円費用計上することで、60万円の黒字(営業利益)となります。税金もこの60万円に対してかかります。

翌年も100万円の利益(粗利益)であれば、同じく60万円の黒字(営業利益)ですが、飽きられてしまい、30万円の利益(粗利益)になってしまうと、30万-40万=10万円の赤字(営業損益)となります。

こうなると銀行は赤字なのでお金を貸したくなくなります。

しかし、このケースも別に銀行からお金を借りてビジネスをやっているわけではないので、問題ありませんが、リース会社にも嫌われ、出店は厳しくなると思います。

では最後に、牛角が採用していた銀行借入でレバレッジをMaxにして支払い、減価償却するケースについて説明します。

まず200万円全額を銀行から借ります。正確には最初の数ヶ月分のランニングコストも含め、200万円以上を借り入れるケースが多いのですが、他と純粋な比較が出来なくなるので、200万円借りる形で説明をします。

この「3」の場合、値引きの50万円は消耗品の100万円の方をメインに引いてもらいます。

すると、消耗品100万円→50万、設備150万円となります。消耗品は一括で費用計上できます。また設備の150万円は天井に埋め込むエアコンにして、原価償却を13年とか長いお店づくりをします。

すると1年で約12万円(150万÷13年)の費用計上が出来、初年度は消耗品の50万とプラスして62万円が費用計上できる事になります。

初年度は100万円の利益(粗利益)ですが、費用が62万円かかるので、1年後の損益計算書は38万円の黒字(営業利益)となります。このタイプは銀行は黒字なので、お金を貸したくなります。

そして初年度からこの38万円に対して税金をがっつり取られます。

翌年も同じく100万円の利益が出る場合には、費用計上は2年目の減価償却が12万円しかないため、88万円の黒字(営業利益)になります。初年度から黒字で、繰越損失もないので、88万円に対して税金がかかります。

逆に翌年飽きられて、たとえ利益(粗利益)が30万円になっても12万円しか費用計上出来ないので、18万円の黒字(営業利益)になり、18万円からがっつり税金を取られます。

つまり、30万円と売上が下がっても黒字なので、銀行は更にお金を貸したくなります。

ここで重要なポイントはこの「3」の場合は自己資金ではなく、銀行から借り入れをしてお店をやっているため、銀行への返済が別途ある事です。

銀行への支払いは税引後から行われるため(←重要)、2年目飽きられた場合は、18万円の黒字(営業利益)から税金を引かれた11万円(税引後利益)の中から返済をしなければなりません。

200万円を5年で借りると1年で返すお金は40万円。

初年度は38万円の黒字(営業利益)、そこから税金を取られるので、手元には23万位(税引後利益)しか残らないはず。

つまり40万円の返済をするとキャッシュフロー上は17万円のマイナス。

繰り返しますが、財務上は黒字なのに17万円がキャッシュフロー上なんと初年度からマイナスなのです。

ところが翌年は、88万円の黒字(営業利益)に対して税金がかかるため、53万位(税引後利益)が手元に残るとすると、40万円の支払は可能です。

しかし、もし88万円の黒字(営業利益)ではなく、飽きられ、利益(粗利益)が30万円になって18万円の黒字(営業利益)のケースは火だるまです。

先程言ったとおり、18万円(営業利益)から税金払って12万円位(税引後利益)しか残らないのにそこから40万円を払わなければならないからです。

そうなると銀行にお金を返せないので、銀行から更なる借り入れをします。

そして更にはもっと出店をして利益を増やそうとしたり、フランチャイズをはじめたり、雪だるま式に借金が増えるため、出店を止められない(止めたら即死)というスパイラルに入ります。

つまり「3」の牛角モデルは利益(粗利益)がずっと100万円でればよいのですが、飽きられたりでもしたら、一気に火だるまになるモデルなのです。

ちなみに、この「3」は銀行からの借り入れだけでビジネスを成り立たせているため、お金がなくても出店が出来ます。

そのため、牛角は飽きられた後、財務諸表上は黒字でも、キャッシュフロー上は大幅なマイナスで、それを補うためにも銀行からの借り入れが必要で、そのためには出店をしなければならないという状況だったのです。

この様な出店攻勢をしている会社は前述の牛角以外の10社にはなく、ある程度自己資金を出した出店をしているため、財務状況が悪化し、売却となったりまではしないのです。

この様な状況で牛角の財務体質をよくするには、赤字店を閉店し、一括費用計上(多分、特損計上の方が営業利益が黒字に見えるため、財務諸表上は見栄えがよく、そちらを使用)して、税金の支払をしないようにするしか方法はありません。

とはいえ、莫大なマイナスキャッシュフローは続くわけで、相当経営体質の強い会社でなければ、牛角を買う事は出来ません。

牛角を買ったコロワイド社は2016年6月時点での時価総額1,370億、売上2,340億の企業だからこそ買収出来た(注2)のです。

この様に、「3」の方法を使えば正直お金なんてなくても多店舗展開出来ます。

しかし同時に大きなリスクも背負うことになります。

よって経営者はバランスのある経営を心がけなければならないと私は思うのです。

注1:http://www.ochiaikaikei.com/mlmg/201508181044_1122.html
注2:実際にこの売上には牛角の売り上げも入っているので、買収した当時の2012年3月時点では売上1,019億円。

小資本で参入して勝てるビジネスモデルの考え方

今までのブログを簡単にまとめますと、「IT技術の向上とロボット、そしてAI(人工知能)で置き換わってしまうビジネスに参入するのはやめましょう」ということと、「小資本でグローバル世界(G)で戦うには大きな変化の波に乗ることが重要」となります。

しかし小資本でGの大きな波に乗ることが出来るのは非常に希で、研究費を削減させるため大学などの研究機関と組むなり、相当な工夫が必要です。

そういった工夫をしてもこのGの分野で戦うのは難しいでしょう。

よって小資本で狙うとするならば、、中規模の変化が起きたときにその波に乗るか、ローカル世界(L)で戦うしかありません。

さてローカル世界(L)で今、急成長している会社って、どんなのがあるでしょうか?

それを他の分野に応用するだけでチャンスがあるかもしれません。

例えばペッパーランチを展開しているペッパーフードサービスは、立ち食いステーキの「いきなり!ステーキ」が当たり、2013年1月頃の株価と比較して現在(2016年6月)では6倍になっています。

この手のビジネスは非常に思考として考えやすく、「高級なものを安く提供する、そのためには回転率を上げるために立ち食いにする」というだけのことです。

俺のフレンチ、俺のイタリアン、俺の割烹などを展開する俺の株式会社も同じ思考で出来ているビジネスモデルです。

2016年6月現在、俺の株式会社は34店舗になっているようです。

同じく急成長している立ち食い焼肉の「治郎丸」も一気に店舗を拡大しています。

「たったの30円で焼き肉!」というフレーズが評判となり、大行列となっています。単価は、

http://weekly.ascii.jp/elem/000/000/254/254533/

の記事を見ると3,500円のようで、立ち食いの回転率を考えれば全く問題ないと言えます。

ただこの「治郎丸」には大きなビジネストリックがある事をほとんどの人は知りません。(笑)

まず1人前の定義です。通常の焼肉屋は100gと決まっているわけですが、今では70gとかひどいところだと60gなんてものもあります。

牛角があれほど多店舗出来たのは、グラム数が少なく、安い牛肉を使っていたからに他なりません。

牛角の多店舗展開のカラクリ(最速で1,000店舗)についてはまた別の機会に触れますが、牛角は「あの牛角の上カルビが490円!」といった形で昔(2009年6月)やっていました。(今はやっていません。)

で、出てきた490円の牛角の上カルビを見ると明らかに上カルビっぽくなく、安い肉に見えるわけです。いや、実際に安い肉なんです。(笑)

つまり中トロや大トロもそうですが、上カルビ、特上カルビはお店自体でその基準を決めて良いので、安い肉を上カルビとして、それも非常に少ない量で提供していたのが牛角の戦略です。

今はこの戦略は難しくなってきているため、「治郎丸」ではA5ランクなど、お肉のランクをきちんと表記して提供をしていますが、1人前といった方式ではなく、なんと1枚ごとにオーダー出来るようにしたのです。

ちなみにサーロインは1枚290円!です。

1枚のグラム数は切り方によって違いますが、100gは6枚で切っていることが多いので、同様であれば1枚16.6g、つまりサーロインは1人前100g換算すると1,740円となります。

決して安くないことが分かってきたりします。(爆)

牛角と違い、「治郎丸」はお肉のランクを表示している以上、ごまかす事は出来ませんが、1人前という発想をなくし、1枚ごとに販売し、金額が安く見せているところが「治郎丸」の戦略です。

話を戻しましょう。

これと同じ思考でいけば、立ち食いスッポン、立ち食い鰻、立ち食いふぐとなるのでしょうか・・・。(笑)

鰻や鯨は今後、資源枯渇問題があり、これらは避けた方が良いでしょう。そして、スッポンやふぐを毎日食べたい人はまずいないかと・・・。

であれば、食材で食べたいお店を作っていくというのも有りかもしれません。つまり、

立ち食い伊勢エビ、立ち食い松葉ガニ、立ち食いアワビ、立ち食いフォアグラ・・・、そんな感じでしょうか・・・。ただアワビやフォアグラはスッポン同様、毎日食べたい人はいないかと・・・。

となると、立ち食い伊勢エビ&松葉ガニ&アワビのお店を作り、お店にはワインも一緒において、女性客ターゲットにしたら受けるかも知れません。

アワビは50gのSサイズは10枚でも楽天で5,000円程度で購入出来ます。伊勢エビも同様で、Sサイズは1,400円位で売っています。

産地から直に仕入れたらかなりやすく仕入れられる可能性があります。

これらの食材はサイズによって値段が大きく違うのですが、Sクラスは、非常に安価。

しかし、メニューには大きいアワビ、伊勢エビに見えるように載せて販売していくのがコツだと思います。

今日はこのあたりで・・・。

中小企業は社長の資質ですべてが決まる!?

様々な会社の経営者と会う事が多いのですが、正直、中小企業は社長の資質でほぼすべてが決まってしまいます。

利益が出ない!赤字だ!これらの原因は社長にあるのですが、それを従業員やまわりの環境に責任をなすり付けている社長は少なくありません。

私の感覚では、従業員の事を想っていない社長は赤字、もしくは儲かっていない会社が非常に多いように思います。

中小企業の場合は一致団結して戦っていく事が大切ですが、従業員の悪口を叩く社長の会社は離職率も高く、従業員のベクトルはバラバラ・・・、これでは利益が出ないのは当たり前です。

よく仲良しこよしではダメだというマネジメント理論があります。確かに仲良しこよしである必要はありませんが、中小企業は一致団結して従業員のベクトルを1つの方向に向かせる必要があります。

そのためには従業員に対し、明確な方向性を示し、権限を与え、最速で突き進んでいく、そのためには従業員と共にお互いの関係を作っていかなければなりません。

そしてそういった関係が作り上げられると社長は従業員に対する感謝の念が強くなります。

従業員から社長に歩み寄ってくる事はありません。よって、まずは社長から歩み寄る事が大切です。

また環境のせいにしている社長は自らが無能である事を証明しているようなものです。

なぜならば、環境の変化を事前に察知し、会社の方向性を変えていくのは社長自身の仕事だからです。

写真フィルムがデジカメによって淘汰されようとしたとき、コダックは潰れ、富士フイルムは自分達の首を絞めるデジカメ業界に参入し、生き残った。

しかし今度はスマホにデジカメ機能が搭載されデジカメが売れなくなった時、富士フイルムは次に化粧品(アスタリフト)と医療分野に参入し、また生き残った。

2016年現在、富士フイルムの時価総額は2兆3千億、売上2兆5千億、経常1,945億という恐ろしい企業となっているのです。

よって環境が原因といっている社長もダメ会社の典型なのです。

 

小資本でグローバル世界に参入出来た2つのビジネス事例

もし起業するとなった場合、グローバル世界(G)で戦うか、ローカル世界(L)で戦うか、それをまず決める必要があると、以前のブログで説明しました。

Gの世界で戦う場合は、巨大な資本が必要で、小資本でGに参入出来るチャンスは多くありません。

ソフトバンクがPepper君といったロボット事業に参入していますが、あれこそが巨大な資本を投下してやっているGビジネスの典型です。

また米Google傘下のGoogle DeepMind社が開発したAlphaGo(※1)もそうで、このAlphaGoの2年間の運用費用は30億(※2)ともいわれています。

※1:AlphaGoは囲碁のAI(人工知能)で2016年、イ・セドル九段に勝利。
※2:参照元:http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1603/24/news058.html

こういったノウハウを用い、Googleは2015年から検索アルゴリズムにAIを実装するようになっています。

この様にGの世界で戦うには巨大資本が通常必要ですが、小資本でGの世界に入る事が出来るケースもあります。

その良い例がスマホアプリのコロプラです。

コロプラは2003年頃、馬場功淳社長が「コロニーな生活」を開発し、なんと個人サイトとしてサービスを開始、それが現在では数千億円の時価総額を持ち、馬場功淳社長は2015年の日本長者番付で16位になっています。

つまり小資本でGの世界に参入するには、スマホの台頭といった大きな変化にいち早く便乗し、利益を得て、その利益をどんどん再投資して行く事が重要です。

もう1社紹介しましょう。

まだGの世界と言えるレベルではありませんが、同じく小資本で上手くいった会社、テラ(証券コード:2191)です。

最近は赤字が続き、時価総額は低迷気味ですが、一時、テラは時価総額数百億まで行った最先端がん治療の会社です。

この会社は資金もないベンチャー企業からスタートしており、最もコストのかかる研究費用の部分を大学と提携する事で、莫大にかかる資金問題を解決しました。

つまり彼らの提供している最先端がん治療(樹状細胞ワクチン療法)は大学との共同研究から生まれ、テラは樹状細胞ワクチンを培養し、各クリニックに提供するビジネスモデルを展開しています。

この様に小資本でGの世界に入っていくためには、ガラケーからスマホといった大きな変化にいち早く便乗していくか、本来なら必要である莫大な資金を大学などの研究機関と組んで一気に削減するなどの工夫が必要です。

ただし、大きな変化は頻繁に起きません。

しかし、中規模の変化レベルであれば定期的に起きます。例えば、2010年にミクシィ(証券コード:2121)の笠原社長(当時)が新プラットフォーム公開し、ドリコム(証券コード:3793)がそのプラットホーム上で動くmixiアプリ モバイル版を開発。一気に売上を上げていった過去(※)があり、こういった変化も含めますと、チャンスはかなり多いと思います。

※ドリコムの売上推移は2010年23.7億、2011年29.6億、2012年71.9億!です。

よって、小資本でGの世界に参入するには、中規模以上の変化に敏感に反応するか、ロボットやAI、医療といった今後急速に拡大する分野に大学と提携し、参入する事が正しいかも知れません。

 

 

IT技術の向上とロボット、そしてAI(人工知能)がもたらす人類の二極化

IT技術の向上とロボット、そしてAI(人工知能)がもたらす人類の二極化というと、ビジネスとは若干異なる話のように感じますが、「何のビジネスを今後はじめるのか?/参入すべきか?」という事を考えた場合、これらの3項目は絶対に考慮に入れておかなければならない知識です。

まず、IT技術の向上によりクルマの自動運転が可能となった暁には、タクシー業界、バス業界はどうなるのでしょうか?現在の最新ベンツSクラスはインテリジェントドライブ機能により、高速道路などはハンドルを握る必要はないレベルまで来ています。

更にはハウステンボスの「変なホテル」ではロボットが受付としてお出迎え・・・。

IBMのワトソン君はよくAIの代名詞(※)として取り上げられますが、このワトソン君はSMBCのオペレーター業務の代わりに導入される事が決まっています。(※実際は自然言語を理解・学習し人間の意思決定を支援する『コグニティブ・コンピューティング・システム』とIBMでは定義しています。)

トランスコスモスやベルシステム24(※)など、コールセンター業務を請け負う会社は現在でも非常に好調な決算を出していますが、今後はどうなるのか、まったく未知数です。(※ベルシステム24の連結決算は2015年2月は188億の経常利益、2016年2月は88億の経常利益と100億程下がっている。)

こういったIT技術の向上やロボット、そしてAIによって置き換わってしまうビジネスの末路は更なる価格競争の激化が予想され、厳しい業態になる事は間違いありません。

そして人類はAI技術者、ロボットエンジニアなど高度な技術をもつ一部の人間と、そうではない人間とに二極化が進むと言われています。

これはAI技術者、ロボットエンジニアなど高度な技術をもつ一部の人間以外はすべてコンピュータやロボットに置き換わってしまうからです。

現在、置き換わってしまうような仕事を多数抱えているビジネスでは、将来、従業員をコンピュータ、ロボットに積極的に置き換えていく会社から値段を下げていき、価格競争が激化していく事でしょう。

そうなりますと、他の会社も人からコンピュータ、ロボットに置き換えざるをえなくなり、結果、人員が余り、会社を存続させるためには、その人員をリストラをせざるを得ません。

しかし日本の労働基準法では容易に解雇ができない状況です。

こういった事も考慮し、「何のビジネスを今後はじめるのか?/参入すべきか?」を考えていく必要があると思います。

参入するビジネスにある2つの経済圏

参入するビジネスにはグローバル経済圏で戦うか、ローカルビジネス経済圏で戦うか、ビジネスをしていく上で、まずはそれを決める必要があります。

冨山和彦氏の著書「なぜローカル経済から日本は蘇るのか」では、その経済圏をG(グローバル世界)とL(ローカル)という分野に分けて説明をしています。

Gはグローバル化、IT革命により世界で勝負する企業、この場合、何が何でも世界チャンピオンになるしかなく、「栄光か死か」の2つしかありません。

つまりGの世界では、戦って負けた暁には「死」しかない、非常に競争が激しい経済圏で勝負するという事です。

まさに資本集約型産業の典型で、自動車、電気、医薬品などのグローバル製造業が主となります。

最近のビジネスではLineやパズドラ(ガンホー)といった企業もこの分野に入ります。

一方、Lの世界は労働集約型のビジネス、小売り、飲食、交通、物流、宿泊、社会福祉などのサービス産業が主です。

しかしインターネットの台頭により、このLの世界も大きな変化が起きており、例えば、レンタルCDショップについては1989年に6283店舗あったのが2015年には2370店舗まで激減しています。

更には、Amazonや楽天の台頭により、小売りも「今すぐニーズ」以外の顧客は急激にネットへ顧客をとられてきました。

これは、送料が以前と異なり無料となるケースが増え、明らかにネットの方が安くなるケースが多く、「風邪を引いたので、今すぐ風邪薬が欲しい!」といった今すぐニーズ以外は自宅まで運んでくれるネットの方が今後急速に台頭してくると思われます。

そしてAmazonでは当日お急ぎ便、楽天はあす楽と、今すぐニーズへの囲い込みも一気に進めています。

この事から、今まではLだったビジネスが、インターネットの台頭により、小売り分野もGのビジネスになってきました。

ずっとGで戦っているガンホーは2013年以降、急速に売上が下がってきており、グリーに至っては2012年をピークにその半分以下にまで2016年は落ち込む見込みです。

スマホゲームの市場は開発費用が上がってきてはいるものの、起業するにはある意味参入しやすい分野であり、多くの起業家が実際参入しています。

しかしその世界はGの世界である事を知っておく事が必要です。

そして、Lの世界でもネットの台頭により、小売りなどはGの世界に飲み込まれ、大きく状況が変わってきている事も知っておく必要がありそうです。

管理人について

 

管理人からのメッセージ

ビジネスを成功させるためには、いくつかのルールがあります。それを知っているか知らないかでは大きな差がでます。

様々な事業を展開する上で、私も何度か失敗しましたが、ラッキーな事に致命傷を負う事はなく、今日に至っています。ビジネスで致命傷を負うと、なかなか復活ができません。

本サイトは、独立して10年、私自身、過去犯した失敗を繰り返さない備忘録として、そして現在ビジネスをやっている経営者の皆様、起業し独立しようと考えている方々に少しでも参考になるサイトとして、私のノウハウを公開していきたいと思います。

書籍にも書けないより突っ込んだ情報も公開していくつもりです。どうぞ、よろしくお願い致します。

 

経歴

某大学院を卒業後、大手通信会社に入社。その後、外資系企業、ベンチャー企業を経て独立。独立してから10年、現在ではネット事業、美容事業、農業、飲食事業、不動産投資事業など国内外で5つの会社を経営し、カリスマ経営者として定評がある。出版したビジネス書はベストセラーとなり、翻訳され海外でも販売されている。